イベントレポート

【開催報告】四国地域おこし協力隊・自治体職員 交流研修会 in 徳島 (2025.11.10-11)

2025年11月10日・11日の2日間、徳島市のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)を会場に、「協力隊制度を地域で最大限活用する」をテーマとした四国地域おこし協力隊・自治体職員交流研修会を開催しました。四国各地から協力隊と自治体職員が100名以上集まり、講演や意見交換、分科会を通じて、現場のリアルを共有しながら学び合い、新しいつながりや気づきを得る場となりました。


全体交流研修会

【基調講演】
徳島大学 教授 田口太郎先生

田口先生からは「地域おこし協力隊と地域づくり~攻めと守り~」をテーマに、地域に溶け込むには「地域の当たり前」にちゃんと関わること、信頼関係を築くことの大切さが語られました。「協力隊は公共事業」という言葉が印象的で、自由な活動の前にまずは地域との信頼が必要であることが強調されました。ご自身の移住体験や活動事例も交えながら、協力隊の存在意義を掘り下げてくださいました。

【地域おこし協力隊経験者講演】
黒田篤史さん
(奈良市東部地域おこし協力隊OB/笠置町観光協会事務局)

黒田さんからは、観光協会の支援や地域資源を活かしたイベントの立ち上げ、民泊など、協力隊活動のリアルな実践例を紹介していただきました。活動中に地元との信頼を少しずつ築き、卒業後もそのまま地域に残って観光協会の事務局長に就任されたストーリーには、多くの参加者が勇気づけられた様子でした。企画書づくりや情報発信、人生設計など、自身の経験から得た具体的なアドバイスも満載でした。

【行政職員講演】
高岡亜由美さん
(阿南市 観光交流課 事務主任)

高岡さんは、阿南市で導入している協力隊受入団体の登録制度や、採用段階からのミスマッチ防止策について紹介してくださいました。行政として、地域や団体側にも制度理解を深めてもらう取り組み、採用後のフォローや独自研修など、積極的な協力隊活動支援に参加者からは憧れの声も上がりました。

【現役地域おこし協力隊講演】
関正秀さん
(阿南市 地域おこし協力隊)

関さんは、加茂谷地区での農泊や交流拠点づくり、子どもたちと一緒に取り組む体験型プロジェクトなど、地域を元気にする活動の数々を紹介されました。「子どもに誇れるまちにしたい」という思いを軸に、移住者や大学生、地域住民と連携して進めてきた活動は、参加者からも共感を得たようです。苦労したことやうまくいったことを率直に語っていただき、現場のリアルが伝わる時間となりました。

【クロストーク】

登壇者3名によるクロストークでは、協力隊の活動スケジュールや行政との関わり方、定住後の働き方など幅広いテーマについて率直な意見交換が行われました。地域で信頼を得るための根回しの重要性や、自分のやりたいことと地域ニーズのすり合わせ方など、経験者だからこその深い話が多く、参加者の率直な質問にも丁寧に応えていただきました。これからの活動に活かせるヒントが詰まった貴重な時間でした。


2日目 分科会

「協力隊×地域 未来づくり意見交換会」(1~2年目協力隊向け)
進行:河田奈弓さん(小さな地域商社スイミー代表/TSUGITE理事)

活動1〜2年目の協力隊員同士がグループで自身の活動を紹介しあい、課題を共有しながらアイデアを出し合いました。「他の地域も同じような悩みがあるんだ」と安心したり、「その視点なかった!」と新たな気づきがあったりと、まさに“未来づくり”のための対話の場になりました。後半は自由交流の時間も設けられ、活動のヒントだけでなく仲間とのつながりを深める良い機会となりました。

「“地域のいい人”で終わらないための価値観マネジメント」(2~3年目協力隊向け)
講師:堀友祐さん(人材開発アドバイザー)

協力隊として活動を続ける中で、自分の価値観や判断軸をどう持ち、地域の中でどう伝えていくかをテーマにワークが行われました。「何でも屋」になりがちな現状をふりかえりつつ、断る勇気や、相手との価値観のすり合わせが大事だという気づきが得られた参加者も多く、笑いあり真剣な対話ありの濃い時間になりました。講師の堀さんのファシリテーションも温かく、場の雰囲気が和やかでした。

「制度運用に関する個別相談会」(自治体職員向け)
講師:吉村佑太さん(総務省地域おこし協力隊アドバイザー)

全国で多くの自治体支援を行ってきた吉村佑太さんによる個別相談形式で行われました。制度の運用や定住支援、庁内調整、ミスマッチ解消の工夫など、実務に即した具体的なアドバイスが交わされていました。吉村さんの豊富な経験と的確な視点に、参加者も「話せてよかった」「すぐに現場に活かしたい」と大満足の様子でした。


さいごに

今回の研修には、たくさんの方々にご参加いただきました。受付や会場設営などを快くお手伝いくださった参加者のみなさんにも、心より感謝申し上げます。そして何より、2日間を通してみなさんの笑顔と熱量に出会えたことが、私たちにとって何より嬉しい出来事でした。協力隊と行政が一緒に制度のあり方を見つめ直し、「地域で生きていく」ことの意味やスタイルを共有できた2日間。それぞれの立場で悩み、挑戦していることが確認でき、これからの一歩に勇気とヒントをもらえる機会となりました。とくしま地域おこしネットワークでは、これからも実践者同士の学び合いとつながりを支える場づくりを続けていきます。